株式会社エリジオン(本社:静岡県浜松市、代表取締役社長:矢野 裕司、以下 エリジオン)は、マルチCAD環境で作成された3D CADデータとQIF(Quality Information Framework)形式のファイルとのデータ変換および比較機能を開発します。本機能は2020年前半にASFALISに搭載しリリースする予定です。

QIFは製造業における設計・製造・検査のプロセスをつなぐ共通フォーマットとして、エリジオンも参画する米国業界団体DMSC(注)が開発した標準フォーマットです。検査・計測に必要な情報をXML方式で3Dデータに定義するのが特徴で、現在米国国家規格協会(ANSI)に認可されています。

エリジオンが今後開発する技術によって、ユーザーはCADデータが保有する形状やPMIの情報を正確にQIF形式に変換することが可能となります。また高品質なQIFデータにより、QIFデータに対応したソフトウェアや計測器での検査工程の自動化が促進されプロセスの高度化が図られます。

また元のCADと変換後のQIFの比較、編集前後のQIFの比較によるデータ差異の確認・共有プロセスの効率化、さらに編集したQIFからCADへの変換により検査関連情報のアップデートをCADで一元管理することも可能になります。

QIFが規格化され多くの計測用ソフト・ハードベンダーが積極的に対応を進める一方で、マルチCAD・QIF間の高性能な変換ツールは現時点では存在しません。今回エリジオンは長年培ったCADデータ変換技術と大手CADソフトウェアベンダーとのパートナーシップを活用することで、昨今導入が進められているMBD/MBEを拡張した、検査工程を含めた製造プロセスのデジタル化・効率化に貢献してまいります。

なお、エリジオンは米国コロラド州で10月7日から開催されたイベント3D Collaboration & Interoperability Congress (3D CIC)に参加し、開発中のデータ変換機能に関するデモンストレーションを行いました。

(注)DMSCはANSIに公式に認められた標準化機関です。

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