Aras Innovatorへの3DxSUITEの組み込み
前回の記事では、Aras Innovatorとにエリジオンの3DxSUITEを組み合わせた7つの事例の内、4つを紹介しました。本稿では残りの3つのケースを紹介します。
7つの事例
事例5 ― 形状簡略化で解析リードタイムを短縮
お悩みごと
設計部門がCADを用いて製品形状を設計しているが、そのままのでは解析が非効率なためCADファイルを手直しして解析している
不要部品や形状の削除など、設計変更されるたびに後工程でも更新が必要になり、タイムリーに解析が行えない
解決策
CADモデルの形状簡略化を自動で行い、設計データが登録された後にすぐに解析に取り掛かることのできる仕組みを構築できます。
データ処理の流れ
- 複数のCADソフトウェアで作成されたファイルを専用のプラグインを用いてAras Innovator側で取得
- CADモデルの製品形状を自動で簡略化
- STLファイルに変換しAras Innovatorに格納
ポイント
- 手間のかかる設計データからの解析用モデル作成を自動化
- 設計変更があっても常に新しいデータで解析を実施
- 解析リードタイム短縮に
事例6 ― 異なるCADソフトウェアをまたいだ部門間協調設計
お悩みごと
設計部門と生技部門の利用しているCADが異なるために、設計情報の伝達が迅速に行えない
解決策
部門ごとに異なる3D CADソフトウェアを使用している場合でも、相互のデータ変換を行って相手側のCADデータを自分側のCADソフトウェアで閲覧することができます。さらにそれぞれのCADデータをPDF形式に変換することで、CADソフトウェアを使っていない部署でも形状情報を見られる仕組みを作ることができます。
データ処理の流れ
- 専用のプラグインを通じ、それぞれの部署のCADソフトウェアから設計データをAras Innovatorへ登録
- 設計データを異なるCADのフォーマットに自動変換
- 同時にデータをPDF形式にも変換しAras Innovatorに格納
ポイント
- ほぼすべてのCADソフトウェアの相互変換が可能
- コストのかかるCADソフトウェアの共通化を行うことなく情報共有が可能に
- 3D PDFを用意することで誰でも手軽に設計モデルを閲覧
事例7 ― 製品設計時の設計ルールチェックを自動化
お悩みごと
製品設計時に自社の設計ルールに適合させる必要があるがチェックに手間がかかる
検証漏れが発生し、後々の大きな問題につながる
解決策
製品の製造性を考慮して設計することをDFM(Design for Manufacturability)と言います。Aras InnovatorにエリジオンのDFMソリューションを組み込めば、設計者が目視や手作業で行うことが難しいDFMをAras Innovator上で実現することができます。
データ処理の流れ
- 専用のプラグインを通じ、CADソフトで作られた設計データをAras Innovator側で取得
- CADデータの設計ルール適合性を自動で検証
- 検証結果のファイルと扱いやすエクセル形式のレポートファイルを生成しAras Innovatorに格納
ポイント
- システム化することで抜け漏れのない検証を実現
- 検出された不具合を分かりやすいレポートで共有
- 設計者の負担が軽減
- 検証の実施記録もAras Innovator上で効率的に管理
エリジオンの3DxSUITEには、ほかにも3Dデータを活用するための機能がそろっています。Aras Innovatorと組み合わせることでより高度な情報の一元管理と活用が実現します。