DFAS Studio // 3D CADデータを活用した国交省突起法規対応支援ツール
3Dでの自動検査プロセスが
手戻りを防ぐ
自動車の設計者は、製品が人を傷つけることのないよう細心の注意を払って安全な設計を行っています。そのための検証の一つが、設計したCADモデルに含まれる突起物のチェックです。
現状の検査プロセスでは、設計者が目視や手作業でCADモデルを確認することが多く、そのため十分なチェックができずに量産前の試作品確認のフェーズになって、初めて重大なミスに気付くことがあります。
DFAS Studio は、設計者に代わって製品の3D CADデータをくまなくスピーディーに検証し、設計品質の向上と検査プロセスの時間短縮を実現します。

DFAS Studioは人の頭部に見立てた球 (ヘッドフォーム) や膝に見立てた治具 (ニーフォーム) をCADモデルに沿わせるなどして
突起物の検出をデジタルで行います

短い時間で
抜け漏れなく検証
先進的な企業では、CADソフトウェアの機能を駆使して独自のデジタル検証を行っている例もあります。
その場合でも、CADモデル全体を検証する場合には計算時間が長くなるため、実際には設計者が経験をもとに感覚的に検証箇所を絞り込みながら確認するのが一般的です。そのため後工程で問題が見つかり手戻りが発生するケースがあります。
DFAS Studio は、頭部や膝などを模した形状と自動車のCADモデルをもとに、まず検証が必要な箇所を数学的かつ理論的に割り出し、その上で人にけがをさせないための設計基準を満たしているかを自動検証します。
突起物のデジタル検証例
DFAS Studio は、ヘッドフォームやニーフォームをCADモデルに沿わせ、その接触する点を割り出し曲率などを検証します。
接触しない箇所は検証の対象外とすることで、効率的な検証を実行することができます。
ヘッドフォーム接触部位の
曲率半径

ヘッドフォームが当たる突起物の
曲率を計測
ヘッドフォーム接触部位の
2点間の距離

ヘッドフォームが接触する突起間の
距離を計測
ニーフォーム接触部位の
曲率半径

インストラメンタルパネルより下の
ニーフォームが当たる部分の曲率を計測
導入メリット
高速化・高精度化
膨大な時間と手間のかかる自動車の突起物検証作業が高速化されます。
また人の感覚に頼る従来手法に比べ、高い精度で検証することができます。
数億円の損失防止
量産直前に、国土交通省管轄機関や自社のチェック工程で設計の不備が発覚した場合、数億円の損失が発生することもあります。
試作前に、デジタルデータの段階で問題を潰し込むことで設計ミスのリスクを大幅に減らし、製品の安全性を高めることができます。
攻めの設計を可能に
安全基準を気にすることで、設計者は無意識のうちに自由な設計を自ら制限してしまう場合があります。
DFAS Studio は設計者に代わって、安全基準に照らした形状チェックを行います。設計者は安心して、意匠や精度を追求した攻めの設計を行えます。
検証対象となる部品
DFAS Studio は、自動車の内外装のさまざまな部品を検証し、乗員と歩行者の両者を守る設計をサポートします。
内装部品対象例
インストラメンタルパネル
- 衝突時の乗員の上半身を守るための検証
ルーフパネル
- 衝突の衝撃で乗員の頭部がルーフに接触してもけがをしないための検証
外装部品対象例
フロントグリル
- 衝突時に歩行者を保護するための検証
ドア周り
- ドアハンドルなど側面に衝撃があった場合でも歩行者がけがをしないための検証

柔軟なカスタマイズ性

DFAS Studio で検証した結果をCATIA V5の画面上に表示させた例
国際標準に基づく検証はもとより、企業ごとに定められた基準やノウハウを組み込むことができます。
独自の内外突起検証システムを構築することで、安全性を損なうことなく、製造プロセスの効率化を図ることが可能です。
自動車以外への適用も
自動車に限らず、あらゆる製品は人に優しい設計が求められます。
3D CADソフトウェアで設計された製品であれば、DFAS Studio の技術を応用することでデジタルでの突起物検証が可能です。
まずはエリジオンにお問い合わせください。

道路運送車両法で定められた、保安基準等の内外突起規制とは
自動車の安全性に関する国内基準を国際的な基準に合わせることを目的として、国土交通省は2000年代以降、道路運送車両の保安基準等の改正を行いました。具体的には、道路運送車両の保安基準に内部突起に係る協定規則(第21号)(以下、内部突起規制)や外部突起に係る協定規則(第26号)(以下、外部突起規制)などが採用されました。
規制では自動車の乗員や歩行者を保護するための安全な部品形状が規定されており、2017年4月以降に登録される新車には外部突起規制、2018年1月以降に登録される新車には内部突起規制の適用も求められています。