エリジオンが開発する大規模点群処理ソフトウェアElysium InfiPointsアルテアのパートナー製品に加わりました。アルテアのユーザーは、3Dレーザースキャナーで計測した建物などの点群データを活用してCADソフトウェアでの設計業務を効率化したり、CAE向けの簡易的なモデルを作成したりできるようになりました。ユーザーはアルテアの既存ライセンスを使ってInfiPointsを利用できます。

3D計測の利点

近年DX(デジタルトランスフォーメーション)への関心の高まりとともに、製造業の現場でも3Dレーザースキャナーや点群処理ソフトウェアの活用が広がっています。

3D計測することで、CADやCGソフトウェアを使って人が手作業で実物をデジタル化するのに比べ、短時間で高精度なデータが生成されます。

点群データの活用シーン

部品のデジタル化

製造業では従来からシミュレーション用途で点群データが活用されています。例えば、完成品を3D計測したデータと元のCADデータの形状を比較することで、設計データに対してどの程度正確に製造されたか検証することができます。

2015年にアルテアのパートナー製品となったElysium CADdoctorは、部品を計測した点群データからCADモデルを自動生成するリバースエンジニアリング機能を備えています。

建物や大型構造物のデジタル化

工場を全面的に3D計測することで、レイアウト計画を効率的に行う取り組みも広まっています。新たにアルテアのパートナー製品となったElysium InfiPointsは建物や大型構造物を計測した数十ギガバイトを超える大規模なデータに対し、スムーズなビューイング、点群の合成や平面・円柱抽出などの自動処理、配管・鋼材の3Dモデル化を行うためのソフトウェアです。

特に点群からCADモデルへの自動変換率や変換精度の高さがInfiPointsの特長です。

活用事例―点群からCADへ

BIMモデルの作成時間を4分の1に — リニューアル施工の省力化を実現
東洋熱工業株式会社

事例を読む

CAE向けの簡易モデルの作成

点群データからInfiPoints上で作成したCADモデルは、流体解析などのCAEシミュレーションにも利用できます。点群データから自動抽出した平面を用いることで手早く建物や部屋、大型設備のCADモデルを作成でき、従来解析の前処理にかかっていた手間やコストが大幅に軽減されます。

入出力の多様性―プロセスをつなぐ

特定の3Dレーザースキャナーに限定することなく、どの機器で計測された点群データでも入力して処理できるのもInfiPointsの特長の一つです。

処理後の点群データは、ライセンス不要のビューアー形式のファイルとして出力でき、関係者に共有することで、現場の情報を点群データを介して詳細に伝えることができます。

また点群データから作成したモデルはCADの各種データ形式のほか、3D PDFやFBXなど汎用的なファイル形式として出力することができ、より多くの関係者間でのスムーズなコミュニケーションをサポートします。