CAEソリューションの開発・販売を行う株式会社JSOLが、3D CADモデルからIGA(Isogeometric Analysis)用モデルを作成するソフトウェア「IGA Tool」の取り扱いを開始すると発表しました。本製品はエリジオンがJSOL、およびJSOLが提供する衝撃・構造解析ソフトウェア「LS-DYNA」のユーザーと共同で研究開発したものです。

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―IGA Toolでモデル作成業務を円滑に~LS-DYNA向けIGA用モデル作成ツールの提供開始~

CADモデルからIGA Toolを用いて作成したIGA用モデル

IGA (Isogeometric Analysis) とは

IGAは製造業における解析手法に関する先進的な分野で、欧米を中心に研究が進められています。日本国内では専門の研究者は少なく、製造業の実業務に導入された例もほとんどありません。

従来のFEM (Finite Element Method) 解析では、対象の3D CADモデルをベースにメッシュモデル化されたデータが利用されます。ただしこのメッシュモデルは曲面形状が直線的になるため解析精度に影響が出ることに加え、そのデータ容量は大きく、解析時間が長くなる要因にもなります。

一方、元の3D CADのB-repデータは曲面形状ではあるものの、面と面の間に隙間が発生していることが少なくありません。その場合には解析モデルとして利用することができません。

CADのように曲面表現でありながら面の連続性が保証されたモデルを活用して解析を行うことができれば、より高精度で効率的な解析を行えるというのが、IGAの基本的な考え方です。

同じCADモデルを元に作成されたIGA用モデルとFEM用モデル

IGA Toolによる解析の高精度化・時間短縮

IGA用モデルの作成時には、一般的に用いられている3D CADの形状表現をそのまま利用することはできません。CADモデルを、解析に適した曲面に変換するための高度な形状処理技術が必要となります。

エリジオンは独自のアルゴリズムをJSOLとユーザーとの共同研究によって確立し、今回、パッケージソフトとして完成させました。

IGA Toolを用いることで、ユーザーは3D CADモデルから作成されたIGA用モデルを利用し、従来の解析手法に比べ高精度な解析結果を得ることができます。また解析時間の短縮も実現することが可能です。

製品の詳細は、JSOLのホームページをご覧ください。
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