信頼性の高いエリジオンのASFALISをベースとしたCADデータ変換システムを構築したことで、キヤノン社内の業務フローの効率が飛躍的に向上しました。

「設計者が作成・出図したすべての3次元データは、このシステムによって事前に指定したフォーマットに自動的に変換され、高い品質で出力されます。ASFALISの利用により、設計データを後工程で活用するための準備にかかるコストを大きく削減することができました。技術サポートに関するエリジオンの迅速な対応にも感謝しています」
(長尾誠氏 情報通信システム本部 2014年1月)

高品質かつ信頼性の高いASFALISベースの3次元データ変換システムにより、キヤノン社内での3次元データ活用だけでなく、サプライヤーへのデータ提供フローの効率も大幅に向上しました。

サプライヤーに供給されるデータは、全社的なPDMシステムと連携したASFALISベースのシステムを経て、自動的に各種フォーマットに変換されます。

グループ会社を含めた全社的なPDMシステムと連携する3次元データ変換エンジンとして、キヤノンはASFALISを採用し、共通プラットフォームとして機能させています。

このシステムは大きく二つのシステムから構成されています。

一つ目は、対話的にその都度データを変換できるシステムです。設計者や関連部門は、必要に応じてCADデータを自由にIGESや他の汎用フォーマットに変換し、おのおのの業務に活用することができます。変換作業はウェブ上のインターフェースから操作することができます。

二つ目は、設計者がPDMシステムで出図すると同時に、自動的に複数の汎用フォーマットに変換されるシステムです。変換されたデータは、社内の関係部門で活用されるほか、サプライヤーへのデータ配信システムにも自動的に供給されます。

ASFALISをベースとしたこの3Dデータの変換システムは、社内で使用されるCADの統一を推進する際、その移行期において二つのCADシステムを共存させることを可能にしました。ASFALISの変換サーバは、従来のフォーマットのCADデータから、新しいCADシステムに適したフォーマットへのデータ変換を随時自動で行っており、ソリッドモデルとして正確に変換されます。またエリジオンは2次元データと3次元データとの連想性が確保される新たな変換エンジンを開発し、従来フォーマットの2次元データに含まれるシートレイアウト、ビュー、アノテーション等について3次元データとの関連性を持ったままのデータ変換を実現。新しいCADシステムで変更を加えても、新システムで一から作られたデータと全く変わりなく、スムーズに2次元データに変更内容が反映される運用を可能にしました。

さらに、設計者が変換前後の2次元データをNX上で重ね合わせながら相違点を確認し必要に応じてデータを修正できるプラグインを開発し、業務の効率化を実現しました。