株式会社エリジオン(本社:静岡県浜松市、代表取締役社長:矢野裕司)は、3Dデータを活用したものづくりのDX(デジタルトランスフォーメーション)をサポートする新しいプラットフォーム「3DxSUITE」(スリーディースイート)を、7月30日に正式リリースしました。

3Dデータ処理プロセスを自由に構築―ユーザー主体のデジタルエンジニアリングを

3DxSUITEは多彩な3Dデータ処理機能を備えています。ユーザーは自社に必要な機能を自由に組み合わせたり、ビジネス環境の変化に応じていつでも機能の追加や変更したりすることができるのが特長です。

モジュール性

仕様が画一的でパッケージ化されたシステムでは、ユーザーによっては機能の過不足が発生し、コスト面でも非効率になる場合があります。3DxSUITEでは、異なるデータ形式の3Dデータの相互変換や、データの品質検証と自動修正、二つのCADデータの比較、形状の簡略化などを行う70以上のメニューの中から、ユーザーが取引先とのデータ授受や自社の後工程とのプロセスを効率化するための必要な機能だけを選び、最適な構成で環境を構築することができます。

拡張性

3DxSUITEではモジュール化を推進することで、利用方法の柔軟性・拡張性の向上を実現しました。例えば、Windows標準ナビゲーターの右クリックからの個別ファイル処理、複数ファイルを対象としたバッチ処理、サーバーでの大量データの自動処理、複数人がWebアプリケーションに同時にアクセスして実行するデータ処理など、ユーザーは自社の事業規模、体制、用途に合わせたシステムを構築することができます。

また、これらの使い方は事業環境の変化に応じていつでも変更することが可能です。

利便性

CADモデルを見ながら多様なデータ処理を直観的に行えた旧来製品CADdoctorの操作感はそのままに、バッチ処理などを実行するための各種設定画面にもGUI(グラフィカル・ユーザー・インターフェース)を積極的に採用しました。例えば、ユーザーが3Dデータ処理のプロセスをあらかじめ設定するためのツール「シナリオエディター」では、データ入力・修正、CAD比較、データ出力などの行程をドラッグアンドドロップでシナリオとして描くことができ、複雑なデータ処理の流れを簡単に設定することができます。

3DxSUITE シナリオエディターで3Dデータの自動処理プロセスを設定した画面

エリジオンはこれまで、ユーザーが利用する多種多様なエンジニアリングツールを連携させる役割を担うことで、ものづくりのデジタルエンジニアリングに貢献してきました。今回の3DxSUITEでの、ソリューションとしての柔軟性や拡張性の向上により、ユーザーが特定のベンダーやツールに縛られることなく、これまで以上に自由に、主体的にツールを選択できる環境を提供できるようになりました。

3Dデータの変換・検証・比較・簡略化など9つの強力なデータ最適化機能を搭載

高度なものづくりを実現するには、必要な情報が会社間・部署間・プロセス間でシームレスに受け渡され、複数のシステムが連動する環境が不可欠です。そうしたインターオペラビリティー(相互運用性)を実現するための豊富な3Dデータ変換・最適化機能を搭載している点が、3DxSUITEのもう一つの特長です。

取り扱いが可能な3Dのデータ形式は、3DEXPERIENCE、CATIA V5、NX、Creo Parametric、SOLIDWORKS、Autodesk Inventor、JT、STEPなど約30で、インターオペラビリティー実現のための基本的なプロセスであるデータ変換においては膨大な種類のデータの組み合わせに対応します。

ものづくりに真のデジタル化を

CTO 相馬淳人のコメント

この30年余りで、製造業の現場には3D CADをはじめとした多くのデジタルツールが導入されました。これにより製図などの手作業がデジタル化された一方で、例えばそのデータの品質検証や他ツールとのデータ共有のための変換プロセスでは、画面上での目視確認やマウスを使った細かな編集作業など、別の手作業が生まれました。

2020年からのコロナ禍であらためてDXの重要性が社会全体で認識された今、こうした矛盾を解消し、3Dデータを活用した真のデジタルエンジニアリングの実現をサポートするソリューションが求められていると認識しています。当社はこのたび、35年以上にわたり培った技術をよりお客さまが使いやすいかたちで提供することを目指し3DxSUITEを開発しました。本製品が3Dデータを媒体としてあらゆる情報・システム・設備・人を連携させ、お客さまのデジタルエンジニアリングの進化に寄与することを確信しています。