エリジオンは、製造業向け解析ソフトウェアを開発する仏TRANSVALOR社とOEM契約を締結し、同社製ソフトウェア専用の3次元データ最適化ツール「CADdoctor TRANSVALOR Edition」を開発しました。同製品は2017年夏ごろから、TRANSVALOR社を通じて全世界で販売されます。
現在、ものづくりでの高い生産性を実現するには、製品ライフサイクル全体での3次元データの共有が不可欠となっています。しかし実際には、CADソフトウェアと解析ソフトウェアなどの異なるツール間では、モデルの変形や設計指示情報の欠落、解析用メッシュ作成の失敗などデータを受け渡す際に多くの問題が生じます。TRANSVALOR社製の解析ソフトウェアにおいても、設計部門が作成したCADデータのインポートや解析用のメッシュ作成時に不具合が発生し、ユーザーがデータ修正に多大な時間を要する場合があります。
エリジオンが開発したCADdoctor TRANSVALOR Editionは、CADデータに含まれる不具合の自動検出・修正機能に加え、形状簡略化や外形抽出など、効率的かつ高精度の解析処理に必要なデータ編集機能を備えています。また同ソフトウェアで加工されたデータは、TRANSVALOR社が提供するFORGE®・COLDFORM®・THERCAST®・Rem3D®などのソフトウェアに対応する専用ファイル形式で書き出すことが可能です。ユーザーは解析用に最適化されたデータでシミュレーションができるため、従来の不具合発生時に必要となっていたデータ修正作業の省力化や、解析ソフトウェアでの計算時間の短縮、さらに解析精度の向上を実現することができます。
エリジオンは創業以来、3次元データ処理に関する独自の技術開発を行っており、現在CADdoctorを中心に3次元データ活用のためのパッケージソフトウェアを販売しています。また同時に、CADや解析ソフトウェアベンダーへの技術提供・OEMを積極的に展開し、事業規模の拡大を図っています。
幅広い解析ソフトウェアのラインアップとグローバルな販売体制を有するTRANSVALOR社との提携により、エリジオンは高度な3次元データ処理技術を軸とした全世界での事業展開をより一層加速してまいります。
CADdoctor TRANSVALOR Editionの概要
基本機能
マルチCADデータ入力 | 多様なCADデータフォーマットに対応したインポート機能 <標準対応> IGES / STEP / STL / OBJ / VRML / Nastran / 点群(txt等) <追加オプション> CATIA V5 / Creo Parametric / NX / Parasolid / JT |
データ検証/修正 | 不適切なメッシュ形成の原因となる、CADモデルに含まれる不具合箇所の自動検出・修正機能 |
形状簡略化 | フィレット・面取り面・穴・ボス・リブ・段差など特徴形状の自動検出・削除機能 |
外形抽出 | アセンブリーの内部消去による、外形だけのシンプルなCADモデルの作成機能 |
ポリゴン検証/修正 | ポリゴンデータの不具合箇所の自動検証・修正機能 |
TRANSVALOR社製解析ソフトウェア用のデータ出力 | 専用ファイルフォーマット(ソリッドおよびポリゴン)へのエクスポート機能 |
国内販売代理店
SCSK株式会社(TRANSVALOR社製塑性加工解析ソフトウェアFORGE® 国内販売代理店)
*SCSK株式会社について
SCSK株式会社は、システム開発からITインフラ構築、ITマネジメント、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)、ITハード・ソフト販売まで、ビジネスに必要なすべてのITサービスをフルラインアップで提供しています。また、TRANSVALOR社製品の取り扱いについては、FORGE®をはじめ数多くの取引実績を有しています。
SCSK株式会社のホームページ: http://www.scsk.jp/
TRANSVALOR社について
塑性加工解析の分野に特化したソフトウェアの開発・販売・サポートを行っています。ヨーロッパ・アメリカ・アジアでパートナー・販売代理店網を構築し、自動車・航空宇宙・重工業・自動車部品・医療産業など幅広い分野の製造業に独自の解析ソフトウェアを提供しています。
TRANSVALOR社のホームページ(英語): https://www.transvalor.com/en/