プレスリリース
エリジオン、3D CADモデルの設計品質検証ソフトウェア 「DFM Studio」を発売
2016年10月25日
プレスリリース
エリジオン、3D CADモデルの設計品質検証ソフトウェア 「DFM Studio」を発売
2016年10月25日
株式会社エリジオン(本社:静岡県浜松市、代表取締役社長:矢野 裕司)は、3D CADモデルの設計品質を自動で検証するソフトウェア「DFM Studio」を、本日10月25日に発売しました。
本製品は、設計者が3D CADソフトウェアで作成したモデルの品質を、自社の設計ルールに照らし合わせて自動検証することにより、後工程で起こりうる潜在的な問題を顕在化させるツールです。検証結果は、各種CADソフトウェアやWebブラウザー、3D PDFなど多様なツールで確認することができます。
本製品の導入により、従来スキルの高いベテラン設計者のみが有していたノウハウをシステム化することができ、安定的に高品質な設計データを作成することが可能になります。また、一般に多大な手間と時間を掛けて行われる目視による3D CADモデルの検図作業を自動化することで、設計者の負担を軽減できるほか、CAE(Computer Aided Engineering)や試作による設計データの事前検証に比べ、低コストで設計品質の向上を図ることができます。
近年、ものづくりの現場では、設計ツールの主流が2D図面から3D CADに移行しています。その一方で、開発体制のグローバル化に伴う設計機能の海外移転やベテラン技術者のリタイヤなどにより、3D CADモデルの設計品質の担保が難しいのが現状です。低品質のCADモデルは、後工程での手戻りの原因となり、効率的な生産プロセス構築の妨げとなります。そのため、現在では開発の初期段階から製品の製造可能性等を考慮する設計手法「DFM(Design for Manufacturability)」に注目が集まっています。
DFMを実現するには、製品の設計者が製造要件をすべて把握し、製造工程で不具合の出ないモデルを設計できる状態であるのが理想です。しかし実際には、製品設計者が自身の専門外である製造技術を深く理解し、製造に必要な要件を漏れなくCADモデルに反映させるのは困難です。設計者は、製造部門にデータを渡す前に社内のガイドラインなどをもとに自ら製造要件の確認を行いますが、目視によるチェックだけでは抜け漏れが発生するため、多くの場合、後工程における不具合要因を解消するには至りません。特にベテラン技術者のノウハウが社内で伝承されていない場合には、モデルの事前検証のレベルが低下し、こうした問題が生じやすくなります。
DFM Studioは、設計者の知識や経験に依存せず、3D CADデータ上で品質検証を行います。これによりユーザーは、特別なノウハウが必要なCAEや実際にものを作る試作に比べ、より手軽に低コストで設計品質を高めることができます。さらに、DFM Studioでの検証後に一覧表示される不具合箇所を見ながら効率的にデータを編集することができ、データ検証から修正までのリードタイムを短縮することが可能です。
またDFM Studioは、企業が持つ製造要件に関する独自のガイドラインの徹底にも有効です。
製造要件に関するノウハウは、企業ごとにガイドラインとして明文化されている場合がありますが、複雑で多岐にわたる要件をすべて目視で検証することは難しく、人によってもその検証方法にバラつきが出るため、時間を掛けて作られた厳格なガイドラインであっても形骸化してしまう場合があります。
DFM Studioは、検証ロジックや許容度を項目ごとに柔軟に設定することができる高いカスタマイズ性を備えています。ユーザーは既存のガイドラインの内容をDFM Studioに組み込むことで、自社にとって最適な機能を備えた検証システムを構築することができます。導入後は、人の目では不可能な高い精度でのデータ検証がなされるため、ガイドラインの実効性が高まります。
一方、そうしたガイドラインが制定されていない企業では、DFM Studioによる検証項目やその許容度を設定する過程で、独自のガイドラインをまとめていくことができます。
エリジオンはこれまで、主にマルチCAD環境での設計データの互換性を実現する技術を開発してまいりました。今回、それらの経験と基盤技術を応用することで製造分野に向けた新しいパッケージソフトウェアを開発し、事業領域の拡大を図りました。今後も独自の研究開発を継続し、製品ライフサイクル全体に関わる多様なソリューションを提供してまいります。
250万円~(税抜)