プレスリリース
首都高技術、エリジオン、朝日航洋が業務提携―道路・構造物維持管理業務支援システム「InfraDoctor」を開発
2014年11月20日
#3Dレーザースキャナ#3D計測#BIM#CIM#InfiPoints#InfraDoctor#朝日航洋#点群#首都高技術
プレスリリース
首都高技術、エリジオン、朝日航洋が業務提携―道路・構造物維持管理業務支援システム「InfraDoctor」を開発
2014年11月20日
#3Dレーザースキャナ#3D計測#BIM#CIM#InfiPoints#InfraDoctor#朝日航洋#点群#首都高技術
首都高技術株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:土橋 浩、以下 首都高技術)、株式会社エリジオン(本社:静岡県浜松市、代表取締役社長:矢野 裕司、以下 エリジオン)、朝日航洋株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:立野 良太郎、以下 朝日航洋)の3社は、道路・構造物の維持管理の支援を目的としたシステム開発を共同で実施することに合意し、このたび、地理情報と3次元点群データを活用したシステム「InfraDoctor (インフラドクター)」を開発しました。本日11月20日から東京都内で2日間開催される「ハイウェイテクノフェア2014」では、3社合同でInfraDoctorベータ版を参考出展しています。
国内には高度成長期に建設された道路等のインフラが数多く存在し、高齢化した構造物が全体に占める割合は急速に増加しています。これに伴い、構造物の維持管理や改築・更新事業といった業務の増大が予測される一方で、少子高齢化等による技術者不足も課題となっています。
このような状況下で今後も構造物を適切に維持管理していくためには、関係する膨大なデータを正確に管理し、技術者に求められる補修補強設計、作業計画、関係者協議等の各種業務を支援・合理化するシステムの構築が必要不可欠です。
また海外においても、経済成長の目覚ましいアジア諸国を中心に道路をはじめとするインフラの整備が急速に進んでおり、構造物の的確な維持管理業務を支援するシステムが求められています。
国内外において道路管理のためのトータルソリューションの需要拡大が期待される中で、首都圏の道路・構造物の維持管理業務を受託し独自のノウハウを蓄積している首都高技術と、3次元形状処理とデータ交換の専門的な技術で多くの製造業者の開発プロセス改善を支援してきたエリジオン、さらにGIS(地理情報システム)技術、自社所有のMMS(移動計測車両による測量システム)を用いた道路情報の取得・解析技術を有する朝日航洋の3社が、各分野での独自の知識と技術を持ち寄ることで、新たなニーズに的確に応える高機能・高品質な製品の開発が可能であると判断し、このたび業務提携するに至りました。
現時点では道路・構造物の維持管理をトータルにサポートするシステムとしてはInfraDoctorと類似するものはないと言えます。3社が協業することで新規市場を切り開きながら各社の新たな事業の柱を生み出すことを目指しています。
InfraDoctorは、朝日航洋が提供するGIS(地理情報システム)とMMS(移動計測車両による測量システム)で計測した3次元点群データや全方位動画などを連携させ、道路・構造物の状況を画面上で確認したり、点群データから必要な図面を自動作成したりすることで、道路・構造物の維持管理業務をトータルサポートするシステムです。InfraDoctorは主に三つの基本機能を備えています。
MMSで取得される3次元コンテンツと道路維持管理業務に欠かせない橋梁等の図面、点検記録データを、位置情報をキーに統合管理し、各種データの総合窓口として点検業務の効率化を支援します。現地目線の全方位動画は、点検前の現況把握を可能とし、手戻り防止を実現します。
毎日のように実施される道路・構造物の点検・補修の最新情報を簡単に検索し入手します。
橋脚番号や距離標をキーに関連する構造物の情報を一括検索するほか、劣化に起因する事故が発生した場合等において同種構造物の検索を可能とし、緊急点検業務のリードタイム短縮を実現します。
計測した道路・構造物の3次元点群データを活用し、各工程を効率化する機能を備えています。
図面に記録されている道路や構造物にとどまらず、近接する建物や架線などとの距離を把握することは構造物管理の基本です。現状では、竣工図を参考にしたり、必要に応じて現場に赴いて測量を行ったりして寸法を測定しますが、InfraDoctorを用いることで、オフィスにいながらにして3次元での位置関係を含めた任意の寸法を計測することができます。特に交通量の多い場所や現地計測が困難な高い場所、複雑な足場が必要となる場所の距離を簡単に測ることができます。
現在、橋梁点検車や高所作業車などの重機を使った構造物点検を行う際には、竣工図や写真で十分に事前検討した上で、現場の状況に合わせながら作業をすることが一般的です。
InfraDoctorではさらに、GISから取得した現場の地理情報、レーザースキャナーで計測した点群データにより作成された空間、重機のCADデータを画面上で融合し、軽快に表示しながら重機と構造物の干渉をシミュレーションすることが可能なため、事前に適切な重機を選択したり作業手順を確認したりでき、現場での効率的な業務遂行を支援します。
これまで道路や周辺構造物をCADデータ化する際には、平面図や測量結果をもとに人の手によって一つずつ作成する必要がありました。また造成・建築時期が古く図面が残されていない道路や構造物のCADデータ化は困難を極めます。InfraDoctorは3次元点群データを活用し、道路・構造物のCADデータ化を支援する機能を備えています。
道路上で作業を行う際には、一部車線の規制または通行止めを実施することとなり、その内容を示した図面を作成する必要があります。InfraDoctorでは、取り込んだ地理情報と点群データを活用し規制図を素早く簡単に作成することができます。また規制した道路の状況を画面上に3次元で簡単に表現し確認することができるため、適切な規制内容であるかを事前に速やかに判断することができます。
首都高技術、エリジオン、朝日航洋の3社はInfraDoctorの機能向上と販売・サポート体制整備を引き続き協力して進めることで、安全な社会インフラの維持・発展への貢献を目指してまいります。