株式会社エリジオン(本社:静岡県浜松市)は、このたびダイムラー社のサプライチェーンで使用されるJTデータトランスレーターの公式プロバイダーに認定されました。エリジオンは今後、ダイムラー社が進める製品関連情報一元管理プロジェクト「PLM2015」において、CATIA V5データからJTデータへの公式データ変換ツールを提供します。
JTフォーマットは現在世界的に使用されている3Dデータのファイル形式の一つで、昨今はドイツを中心としたヨーロッパでも普及が進んでおり、ダイムラー社はその「Version 9.5」を、サプライヤーとのデータ共有フォーマットの一つに規定しています。エリジオンが提供するJTトランスレーターは、ダイムラー社のデータ授受システムである「SWAN」(System for the worldwide exchanging of engineering data)に組み込まれ、ダイムラー社とサプライヤー間における高精度なデータ変換をサポートします。
一般的に、製造業のサプライヤーは自社が構築したCADやCAEシステムのファイル形式から、OEM取引先が使用している別のファイル形式にデータを変換する必要があります。特に自動車業界では、近年大手企業が世界中で新たなパートナーシップを結んでおり、異なる会社間で設計データを迅速かつ正確に受け渡しできる体制を整備することが重要となっています。
エリジオンは、これまで長年にわたって日本の製造業者に対しJTフォーマットに関するソリューションを提供しており、高い技術とノウハウを有しています。そうした実績に加え、今回ダイムラー社が行った製品ベンチマークと審査の結果、エリジオンのJTトランスレーターが、ダイムラー社が定める品質基準を満たすものであると認定されました。
今回の認定を受ける上では、JTトランスレーターをダイムラー社の製品データ管理システムである「Smaragd」に適応させ、ダイムラー社とサプライヤー間でのメタデータ・属性マッピング情報の共有を実現させる必要がありました。この要件を満たすため、エリジオンはCADデータに含まれる属性や寸法・注記・記号などのPMI(Product Manufacturing Information)を変換する既存技術を改良し、ダイムラー社が求める正確なCADデータ変換を実現しました。
JTフォーマットには、複雑でデータ容量の大きなアセンブリーでも軽快に表示することができ、かつオリジナルのCADデータと同レベルの精度で正確に形状を保つことができるという利点があります。またJTフォーマットは業界全体が課題としているフォーマットの標準化やオープンフォーマット化に対応するものです。エリジオンは今後も製造業におけるJTフォーマットの活用に関するソリューションを積極的に提供してまいります。