データ変換および形状処理技術のリーディングプロバイダであるエリジオンは、アラスコーポレーションのAras InnovatorのマルチCAD管理に対応する新しいソリューションの販売を12月4日より開始しました。Aras Innovatorのユーザは、本ソリューションによりCATIA, NX, Creo, SolidWorksなどの3Dデータに対して、簡単な操作で別のCAD形式に高精度に変換したり、形状や配置を比較したりすることが可能になります。
ものづくりの設計製造プロセスにおいては、設計用のCADシステムや各種シミュレーション用のCAEシステム、金型製作用のCAMなどが導入されています。しかし、それぞれの用途で異なったソフトが使用されていることが多く、システム間のデータ変換では、受け取り側でデータが読めない、形状が壊れてしまうなどの様々な互換性のトラブルが発生します。特にマルチCAD環境の場合、別のCADで加えた形状変更の内容が把握できないなどの、情報共有に関する課題にも多くのユーザが悩まされています。
エリジオンはこうした課題に対応するソリューションとして、新たにMultiCAD Gateway for Aras Innovatorを発売いたしました。これにより、高精度のデータ変換や高速表示、形状最適化といったエリジオンが自社開発した技術をAras Innovatorから利用することができるようになります。エリジオンが新たに開発した差分変換技術により、マルチCAD環境で相互にデータを受け渡してもCADのフィーチャ情報を保持することができるようになり、高度な相互運用が可能になります。また、高速3Dプレビューにより3D形状を手早く簡単に確認したり、異なるリビジョン間や別アイテムとの間の形状や配置の比較検討を行ったりすることもできます。
アラスジャパンの久次昌彦社長は「今日ではほとんどの企業にCADが導入されており、設計部門だけでなく製造技術などの部門でもCADの利用が活発に行われています。しかし全社的にCADを統一している企業はまれで、ほとんどの会社ではマルチCAD環境で利用しているのが実情です。本来であれば、設計部門で作成されたCADデータを製造部門でも活用できるようにすることで設計の効率化を図るべきですが、異なるCAD間ではデータの互換性がないため、CADデータの有効活用ができていません。エリジオンのMultiCAD Gateway for Aras Innovatorを使えば、設計で作成されたCADデータを後工程部門でも有効活用でき、設計品質の向上と期間短縮を実現することができます。」と述べています。
主な特徴
- Aras Innovatorに登録されたデータを自動または手動の操作で異なる形式に高精度に変換可能
- 独自の差分変換技術により、相互のデータ受け渡しを経ても元のフィーチャ情報を保持することが可能
- 同一アイテムの異なるリビジョンまたは別アイテムについて、形状だけでなくアセンブリ構成などの比較が可能
- 比較結果は専用のビューアで閲覧可能
- Aras InnovatorのWeb画面に組み込んで動作する独自の高速3Dプレビュー
変換対応フォーマット
- CATIA, NX, Creo, SolidWorks (その他のフォーマットについても今後のリリースで順次対応を予定)
アラスコーポレーションについて
アラスコーポレーションはオープンソースPLMソフトウェアを、業界でいち早く製品化した企業であり、PLMソフトウェアソリューションのリーディングプロバイダです。Aras製品はゼネラル・エレクトリックやモトローラ、ロッキード・マーチン、日立、テクストロン、テバファーマスーティカルなど世界をリードする数多くの企業で利用されています。