オープンソースのPLM(プロダクト・ライフサイクル・マネジメント)ソフトウェア・ソリューションのリーディングプロバイダであるアラスと、データ変換および形状処理技術のリーディングプロバイダであるエリジオンが、Aras InnovatorのマルチCAD対応を促進するため、エリジオン製の変換エンジンの組み込みで協業することを発表しました。Aras Innovatorのユーザは、エリジオンの変換エンジンを組み合わせることにより、CATIA, NX, Creo, Solidworksをはじめとした様々な種類の3Dデータに対して、簡単な操作だけで、Aras Innovator上から別のCAD形式に高精度に変換したり形状を最適化処理したりすることが可能になります。
通常、ものづくりの設計製造プロセスにおいては、CAD システムに加え、金型製作の CAM や各種シミュレーシ ョン用の CAE システムが導入されています。しかし、それぞれの用途で異なったソフトが使用されていることが 多く、システム間のデータ変換では、受け取り側でデータが読めない、データサイズが異常に大きくなる、大規 模データが変換できないなど様々な互換性のトラブルが発生します。また、他社にデータを配信する際には、 技術情報の流出を防止するために不要部品を削除したり外形形状のみを抜き出したりする作業も発生します が、これらの作業の実施コストおよび設計変更時の手戻り作業にも課題があります。
エリジオンはこうした課題を解決するため、自社開発した独自の変換/形状最適化技術を Aras Innovator から 利用可能にします。また PLM への組み込みに関しては、エリジオンが新規開発した「差分変換」の技術を搭載 します。これにより構成要素の更新判定を行い、アセンブリ中の必要な部分のみを効率的に変換したり変換後 のデータをアセンブリに組み込んで再利用したりすることが可能になります。
アラスジャパンの社長久次 昌彦は、「エリジオンが持つ最先端の変換技術とArasInnovatorが融合することで、 現在多くの企業で求められている CAD データの相互交換活用を実現することが可能になりました。CAD データ の相互交換活用が実現することで、設計部門と製造部門の情報の流れがスムーズになり、新たなレベルの設 計コラボレーションを実現することが可能となります。」と述べています。
主な特徴
- Aras Innovator に登録されたデータに対して、登録時の自動またはユーザの手動操作により、他 形式のフォーマットに高精度に変換
- Aras で編集した PLM 属性の CAD 属性への反映、製品製造情報(PMI)の変換などの高付加価値 な変換が可能
- 変換対応フォーマット
CATIA, NX, Creo, Solidworks, Inventor, IDEAS, CoCreate, IGES, STEP, XVL, JT, ACIS, STL - 製品のリリース時期は 2013 年 11 月を予定
アラスについて
アラスコーポレーションは、オープンソース PLM ソフトウェアを業界でいち早く製品化した企業 で、PLM ソフトウェアソリューションのリーディングプロバイダです。Aras 製品はゼネラル・エ レクトリックやモトローラ、ロッキード・マーチン、日立、テクストロン、テバファーマスーティ カルなど世界をリードする数多くの企業で利用されています。